看護師は、患者さんの状態変化を、
他ナースや医師へ報告する場面が多いです。
「患者さんが明らかにおかしい」「急変しそう」
などとアセスメントしていても、
上手く報告出来ないため、
医師が動いてれずモヤモヤしたり。
報告って大事だからこそ、難しい…
そこで今回お伝えするのは、
「SBAR」と言うツールについてです。
上手く報告したいけど、報告が苦手
急変時にSBARを上手く使いたい
そもそも、SBARって何?
と言う方に向けて、お伝えします!
「SBAR」の意味が分からない方も大丈夫です♪
SBARとは
SBAR(エスバー)とは、
相手に分かりやすく伝えるための
コミュニケーションツールです。
相手にわかりやすく正確な情報を伝えることで、
患者さんの安全・安楽を提供できます。
結論から先にお伝えすると、
報告するのに大事なのは「起こっている状況」を
一番最初に伝える事です
これを伝える事で、相手にも緊急性が伝わり、
報告内容に耳を傾けたり、
治療方針など検討してもらえやすくなります。
SBARの構成
それではSBARの構成についてです。
「SBAR」はそれぞれの頭文字からとったものです!
Situation (状況) | 患者さんに何が起こっているか |
Background (背景) | 患者さんの背景 今までの経過 |
Assessment (評価) | 何が考えられるか |
Recommendation (提案) | 何を依頼したいか |
急変時などに使われる事が多いですが、
病院によっては全てSBARを使って
報告している所もあるみたいです。
私の病棟も、「上手く報告できるようになろう」の取り組みとして
SBARを活用している時期
がありました!
また、コミュニケーションエラー防止のため、
Identity (報告者) | 自分は誰で、対象となる患者さんは誰なのか |
Confirm (指示の再確認) | 指示の内容を復唱 |
「SBAR」に
Identity(報告者)、Confirm(指示の再確認)
も追加され、
「ISBARC」とする事もあります
Situation(状況)
先ほどお伝えしましたが、
起こっている「状況」を一番最初に報告が必要です
例:「○○さんがショック状態です」
「○○さんのSPO2値が
急に低下しています」
「○○さんの意識レベルが突然××に
低下しています」
「○○さんがベッドから転落したので
報告します」
私たちはよく、2番目のBackground(背景)を
最初にダラダラと伝えてしまう事が多いです。
物語調になってしまい、相手も何が問題なのか
分からなくなってしまします。
Background(背景)
先ほどの「状況」で伝えた事以外で必要なことを
報告してください。
例:「朝から活気がなく、
検査データでは××でした」
「既往に××があります」
既往歴も、報告する相手が担当医であると、
把握していると思うので、省略してください。
細かく説明する事が多いので、
現疾患から既往歴、治療の流れなど
全て把握しておく必要があります!
夜中の当直医がいつも素っ気なくて怖い…
大丈夫です。夜中に起こされて(少し)機嫌が悪いだけです
報告前にカルテで情報を整理して
報告しましょう!
躊躇せず報告しましょう!!
Assessment(評価)
「状況」「背景」から自分が考えたこと、
何が問題だと思うのか伝えてください。
例:「□□している事が予測されます」
「□□が問題だと考えられます」
そんな時は
「問題は分かりませんが、悪化しています」
と伝えてくださいね
Recommendation(提案)
最後に、「状況」「背景」「評価」
からして欲しいことを伝えます。
例:「すぐに診察に
来ていただけませんか?」
「何か検査はされますか?」
「このあと、医師に報告します」
Identity(報告者)
医師への報告は電話で行う事も多いですね?
自分がどこの誰なのか名乗り、相手に認識してもらいましょう
例:「△病棟の△△です。
○○さんについて報告です」
同じ病棟間で報告する際に
「△病棟の△△です」と言われても
「わかっているよ…」と思われてしまうので、
省いたり臨機応変にしてください笑
Confirm(指示の再確認)
緊急場合は、口頭指示も飛び交います。
普段なら間違いに気づく事も、
緊急時など焦っている場合は
コミュニケーションエラーが生じて
間違った事をしてしまう可能性があります!!
「分かりました」ではなく
「〜ですね?」と必ず復唱しましょう
まとめ
「ISBARC」について理解されましたか?
おめでとうございます!
一つレベルアップしました٩( ‘ω’ )و
「ISBARC」に沿って報告すると、
相手に正確な情報が伝わります。
「ISBARC」について理解できたら、
あとは練習あるのみです!
苦手意識のある方が多いですが、
「報告一つで患者さんの命と安全が守られる」
そう考えると頑張れます☆
私も、新人時代は医師への報告が苦手でいつも緊張していました…
いつも患者さんをみている私たち看護師だからこそ、
「何かおかしい」と異変に気づくことも多いです。
せっかく気づけた異変を上手く伝えられるよう、
一緒に頑張りましょう^ ^
また、このコミュニケーションツールは
もちろんですが、
「何かおかしい」と気づけるよう
普段から患者さんのことを
よーく観察してくださいね♪